合理的配慮(障害者差別解消法関連)

弊社のニュースレター(インテリジェンス5月号)に、本年4月に施行された「障害者差別解消法」が定める合理的配慮を取り上げました。

□ 出題の背景

本年4月、改正障害者差別解消法が施行されたことから、これまで努力義務であった“合理的配慮”が義務化され、その不履行は勧告等の対象となりました。また、この法律は、障害者に対する不当な差別的取扱いも禁止しています。

さて、こうした差別の禁止を趣旨とする義務の不履行については、その疑いをかけられただけで深刻なクレームになるおそれ、あるいはネット上で炎上するおそれがあります。過去には廃業に追い込まれた事業者もいます。そして、そうしたケースの多くに、“あってはならない思い込み”があるといわれています。

そこで今回は、“あってはならない思い込み”を出題することとしました。

次は、障害者差別解消法に定める“合理的配慮”あるいは“不当な差別的取扱いの禁止”に関する記述であるが、妥当なものはどれか。

注)正解はひとつです。

#1 合理的配慮または不当な差別的取扱いの禁止の対象となる障害者は、障害者手帳を持つ方に限られる。またこの法律で合理的配慮等の義務を負う事業者には、営利を追求しないボランティアも含まれる。

#2 正当な理由があれば、不当な差別的扱いとはいえないが、ここにいう正当な理由には、「前例がない」は含まれないが「常識的に無理である」は含まれる。

#3 聴覚に障害を持つ方からの宿泊予約の申し込みを、「万が一火災が起きた場合、火災警報が聞こえずに避難が遅れるかもしれない。安全を保障できない」という理由でお断りをした。これも正当な理由といえる。

#4 障害のある方が希望するサービスを提供するために、他のお客様から見て明らかに特別扱いすることは、不当な差別的取扱いとはいえない。