通勤途上のトラブル

弊社のニュースレター(インテリジェンス8月号)では、通勤途中で巻き込まれるトラブルを取り上げました。

□ 出題の背景

電車内で痴漢の疑いをかけられるなど通勤途上でのトラブルへの事後対応を誤らせる背景には思い込みあるいは知識の不足があるといえます。そこで、今回は、この種事案の事後対応の適正化に向けて、ありがちな“思い込み”などを取り上げました。

問 以下は、通勤途上のトラブルに関する記述であるが、誤りはどれか。

#1 電車内で立ってスマホを見ていたところ、前に座っていた女性から胸元を盗撮していると叫ばれた。この場合、スマホに盗撮画像がなければ盗撮すなわち犯罪ではないので、現場に駆け付けた警察官に経緯を正確に説明すれば盗撮の疑いをかけられることはない。

#2 電車内で口論になった相手からいきなり殴られた上に罵倒され続けたので殴り返した。これは正当防衛といえるので、たとえ警察官が現場に来ても正確に説明すれば犯人扱いされない。 

#3 コンビニの入り口の傘立てに傘を差し入店した。買い物を終え店を出て傘を手に取り歩き始めたところ、後ろから来た別の客に「それは自分の傘だ」と言われたので、すぐに「間違ったこと」に気づき謝罪したが相手は納得しない。このケースでは、窃盗はもちろん犯罪の嫌疑は生じない。

#4 混雑した通勤電車から降車した直後のホーム上でいきなり「この人、痴漢です」と騒がれた。まったく身に覚えがないので、「何かの間違いです。警察を呼んでください」と静かに相手に告げた。